ゆうえつ村

髪とお酒。花小金井と吉祥寺。

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「サービス」が「サービス」じゃなくなっちゃうって話。クリスマス編。

   

 

僕がサンタがいないと知ったきっかけは、近所の桃太郎(おもちゃ屋)の息子さんでしたこんにちは新田です。

 

 

ベネッセの統計では、

小学校5年くらいまでは、サンタさんを信じている子が50%くらいいるみたいです。

僕の場合、いないって知ってからも、

心のどこかでは、

「もしかしたら本当はいるんじゃないか」

と信じていた記憶もありますが。

 

 

思い起こせば小学校2年生の12月。

真実を受け入れるしかなかったクリスマス。

 

逆に言うと、ちょっとだけ大人に近づいた日かもしれませんね。

 

 

 

小学校2年生のクリスマス

そのクリスマスの夜。

「玄関から声がする」とおばあちゃんが僕に見てくるように言いつけた。

 

クリスマスはサンタさんがやって来て、

僕にクリスマスプレゼントをくれる日だ。

 

 

 

でもサンタさんはいつも姿を見せない。

夜、僕が眠っている間にこっそりと枕元にプレゼントを置いておいてくれたり、

姿を見せないように裏小屋へ、わざと物音を立ててプレゼントを置いた合図をしてくれた。

 

 

 

 

しかしこの日は違った。

玄関に様子を見に行った僕の目の前には、

逆光で照らされた、サンタさんが立っていた。

 

「メリークリスマス」

 

サンタさんが呟く。

 

 

けれど、

視界に入ってくる情報に、

無意識に僕の中のもう一人の自分が反応し、拒絶する。

 

違和感。

 

何かが違った。

噛み合っていないジグソーパズルを無理やり繋げて納得しているような、、

 

「よく、見ろ!」

 

心の中の僕が警告する。

 

 

 

確かに時間もまだ早い気がする。

晩ご飯時に堂々と正面から現れたサンタさん。

背後にハザードが点滅しているハイエース。

見慣れた「桃太郎」のロゴがぼんやり見える。

 

 

逆光に目が慣れてくると、

近づいてきたサンタさんの顔が少しずつ見える。

 

 

 

「桃太郎」の息子さん、、、

 

あんた、、

 

あんた、、おもちゃ屋「桃太郎」の息子だろ?

 

 

 

感じていた違和感がクリアになっていき、

ジグソーパズルはきっちりと噛み合い、

真実を僕に突きつけてくれた。

 

 

 

冗談はよしてくれよ、、なぁ、、

 

ソリはどうした?

 

ト、トナカイはどこ行ったんだよ?

 

オイラだってもう2年生だ、、

 

それくらいわかるぜ?

 

あんたは、あんたはサンタさんじゃない、、

 

そして後ろに停まってるのはハイエースだ、、

 

 

 

 

「メリークリスマス」

 

背後のハイエースの、

まるでクリスマスのイルミネーションの様に赤く点滅するハザードを逆光に、

僕にクリスマスプレゼントを渡そうとするサンタさん。

 

 

いやあんた、桃太郎の息子さんだろ?

 

 

 

 

、、、

 

、、、

 

 

 

「ありがとう、サンタさん」

 

言うしかなかった。

 

 

 

 

 

心の中で本当に思っている事は、

言ってはいけない気がしたからだ。

 

 

しかし不思議と、

案外心の中はすっきりしていた。

 

既に、サンタさんはいないという噂も聞いていたし、

サンタさんに扮したお兄さんの心遣いも良くわかったし。

 

 

その時の僕の「ありがとう」は、

本当の「ありがとう」だった。

 

 

 

父さん、

少年の僕は、

その日、ほんの少しだけ大人になったわけで。

 

 

 

 

 

と、まぁ、

別に「桃太郎」も「お兄さん」も悪くないんですよね。

クリスマスにサンタクロースの格好でプレゼントを配送すれば、子供たちが喜んでくれる。

そういう「サービス」だった。

 

しかし時として、

良かれと思った「サービス」も、

諸刃の剣となり相手を傷つけてしまうこともある。

傷つけるっていうと、大袈裟ですね。

当時の僕も内心、

おもしれーなこれ。

ってネタにしてましたから。

 

 

「サービス」が「サービス」じゃ、なくなっちゃう、、

クリスマス編でした。

 

 

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新田 裕悦 (にった ゆうえつ) /  LoLonimoc HAIR Vice store manager

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